口腔機能を保つ為には、自身で口腔内に関心を持つ事が大切です。

その為には、客観的な数値で現状を把握しておく方が良いと思います。いろいろな検査をしてくれる「歯科ドック」を利用するのも1つの手でしょう。歯科ドックは保険適用外となる為、費用は数千円から数万円と幅があります。

もしもこの検査の結果、口腔機能低下症と診断されたらどのように治療するのでしょうか。

口腔機能低下症としてトータルに治療するという事は出来ませんが、項目ごとにそれぞれ治療法があります。

例えば「ものが噛みにくくなった」という事であれば合った入歯をつくる事で解決しますし、「口の中が乾くようになった」という事であれば保湿剤を使用します。

他にも歯科医師や歯科衛生士の指導のもとでのトレーニングがあります。口腔機能が低下すると、まずはじめに咀嚼しにくい食べ物が増えてきます。特に肉などのたんぱく質はよく噛まなければならない為に敬遠しがちです。

この事で栄養が偏ったり、食事量そのものが減ってエネルギー不足に陥ります。

その結果、筋力や免疫力も低下していきます。全身の活力は落ち、フレイルになります。そうなると動くのも大変で外出が億劫になりがちで、さらに体を動かす機会や人と交流する機会は減ってしまいます。

家に閉じこもってしまい、気持ちも沈んでしまうかもしれません。ますます筋力は低下し、認知機能にも問題が生じやすくなります。すると口の健康や入歯のケアに注意を払わなくなるので、口腔環境は悪化します。

口腔環境の悪化は感染症のリスクを高め、糖尿病などの全身性の病気を悪化させる要因になります。

当然、虫歯や歯周病にもなりやすく、きちんと機能する歯の数が減っていき、そしてまた口腔機能の低下に。

負のスパイラルを断ち切るには、よく噛めるようにする事が非常に重要です。

虫歯や歯周病はきちんと治療し、入歯の方は半年に1回入歯の定期健診を受けてください。

                     

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