自費と保険、価格の違いは理解できたとして、では出来上がった歯の使い勝手はどのくらい違いがあるのでしょうか。やはり自費でつくったものの方が「いい歯」という事なのでしょうか。

日本の歯科技術は世界的に見ても優れています。ですので保険診療でつくった歯も十分に「いい歯」だと思います。

しかし価値観というのは人それぞれ違います。その人が何を重視しているかによって良し悪しは変わってくるのではないでしょうか。可能な限り天然歯に近い歯で外見を整えたいという方ならセラミックが良いでしょうし、歯の根に負担をかけずピッタリと合う歯が欲しいという方から金が良いでしょう。

また、保険でつくる歯は耐久性に劣るので、時期が来たら外して作り直す必要があります。そうすれば、土台になる歯の寿命も短くなってしまいます。自分の歯を長持ちさせたいという希望があるならば、自費の歯をお勧めします。

保険で銀歯を1本作った場合、歯科技工士に入る収入は2000円から2500円ほどです。一方で1本の歯を作るのにかかる時間はというと、工程がいくつもある為、1人で全部を行うとなると約3時間はかかってしまいます。

このような事から、少しでも効率化を図るべく作業を分担制にしている技工所も多いようです。その違いが、歯に対してぴったりあうかどうかの違いになって表れてきます。

結果的に自費の方がレベルの高い仕上がりになるというのは、やむを得ないところです。ものを食べ、顔の印象を左右する歯は、一人ひとりの人生に寄り添う存在だと言えます。

懐事情というのは人それぞれですが、歯を人生のパートナーとして十分考えて選んで頂きたく思います。

                     

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